先輩といろどる恋。˚✩
あまりに楽しい時間で帰るとまた肩身の狭い生活かと思うと嫌で思わず漏れてしまった言葉に私は急いで口を抑えた。
「嘘です!」
先輩を困らせたくないとすぐに否定すると、凪桜先輩は私の頭を撫でてくれた。
「帰りたくないなら帰らなきゃいいじゃん。
別に迷惑じゃないし、泊めれない時は帰すし。
本音言っていいんじゃない?」
そう言ってくれる凪桜先輩に心が少し軽くなる。
適度に適当な凪桜先輩と一緒にいると少しだけ楽になれるんだよね。
「今日は泊めてやれるよ。
親がいても多分何も言わない。
でも、ちゃんと親に泊まるって伝えるなら泊めてもいい」
「うむ…」
そんな優しい凪桜先輩の提案に私は頭を抱える。
今更1日帰ってこないくらい気にしないだろうけど、変わってしまったお母さんは連絡ブロックされてるのか通じたことは無いんだよね。
「連絡してみます!」
「はい、してください」
連絡するより家に帰りたくない感情が勝った私はお母さんにかけても繋がらないから家の電話にかけると
スリーコール目で奇跡的に繋がった。
「あ、お母さん?」
『おじさんだけど?母ちゃんはスナックの仕事だろ』
「あ…そうですよね!」
『で?なに?』
「あ、えっと今日帰らないので伝えてもらえればと」
『あー、はいはい、彼氏とな?いいけど避妊はしろよー』
「ありがとうございます」
言うなり電話をブツリと切られて私は先輩に笑顔を向ける。
「OKでした!」