先輩といろどる恋。˚✩




「ちゃんと好きとか大好きとか愛してるとか言ってるの?」



「いや…全然」



「もー、ダメじゃん!
凪桜は感情表現下手くそなんだからちゃんと言葉にしないとでしょ?
女の子は好きとか何回言われても不安になるもんなんだからー」



「うーん」






付き合ってる時もそう言ってたし実際俺は毎日のように好きだのなんだの言ってきたっけ。



でも…






「なんか風子とは距離が縮んだような縮まないような感じなんだよな」






自分からどんどん来るくせに、近づくと離れるみたいな。


深入りできなくて、いい子だし真っ直ぐなのに分からないみたいな。



そんな俺の言葉に櫻は困ったように笑った。






「付き合ってどれくらいだっけ?」



「8月からだから、半年以上1年未満」



「それでその感じなんだー。2人とも遠慮しすぎなんじゃないの?」



「遠慮別にしてないけど」



「向こうはしてるんじゃない?
年下だしまだ先輩呼びに敬語でしょ?」



「うん、でももうどう距離詰めていいかわかんないな。
掴めそうで掴めないから」






なんで元カノにそんな話してるんだって感じだが、俺の事をいちばん恋愛面でわかってるのは櫻だからな。



そんな俺の相談に櫻はあははと笑った。






「好きなんだねー!今の彼女のこと」



「まぁ」



「凪桜がこんなに悩んで面倒なことと向き合うなんて私以来じゃん!
今回は周りも本気だって知られてるんでしょ?私の時より味方多いんだから大丈夫!」






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