先輩といろどる恋。˚✩
申し訳なさでしょぼくれる私は今はそんなしてる暇なんてないと気合を入れて顔を上げる。
「瑠璃佳大丈夫だった?」
先程は目に涙を貯めていた瑠璃佳の背中を擦りながら聞くと、瑠璃佳はケロッとしていた。
「平気だよぉ〜嘘泣きだもん〜」
「嘘泣き?」
「当たり前だよぉ〜私があんな性格悪い女に泣かされるわけないじゃんねぇ〜」
あはは〜っと笑いながら涙を拭う瑠璃佳は女優になれると思う。
「ほらほらっ!3人とも教室おいでっ!トラくんもナギくんも待ってるんだよっ!」
愛花先輩の居なくなった廊下で呆然と立ち尽くす私達に笑いながらそう言ってくれるトト先輩に私は気を取り直して笑顔を作った。
瑠璃佳は特に気にした様子もなく、1番心配なのは心遥だなぁ…。
ずっと無言で固まってるし…。
心遥は口下手で大人しくて人とあんまり関わりたがらないからこういうのは堪えたのかもしれない。
「心遥大丈夫?」
「あぁ、平気…人間怖」
それ平気じゃないじゃん、と思いながら背中をポンポンとさする。
先程のトト先輩を見つめる心遥は少し今までと変わっている感じがしたから、いい傾向だと思ったけど
これで怖気付いたりしなかったらいいけどなぁ。