先輩といろどる恋。˚✩




「トトはハルちゃんが好きなんだよ。
トラももう別に隠さなくていいだろ」






面倒くさそうにはっきりと言い放つ先輩にトト先輩はあーあ、とため息を着く。






「言っちゃったよ、知らないよトトに怒られても」



「言わなきゃバレねぇよ。本人達には言うなよ?」






凪桜先輩はそう言うと私と瑠璃佳を見て釘を刺す。


それに対して私も瑠璃佳も頷く。



人の気持ちを不用意に他言する意味もないから言いませんよ先輩安心してください!






「好きなのはわかりましたけどぉ、どうしてですぅ?」



「なんだっけな、なんか理由言ってたけど忘れたわ」



「ほんと適当だなナギ。
えっと、顔がタイプなのとオタクなのもいいし、僕に心を開いてくれたらどうなるのか考えるうちに好きになった、だったかな?」



「あー、なんかそんなんだったな」






本当に忘れてた様子の凪桜先輩とは違い、しっかり説明するトラ先輩。



僕に心を開いてくれたらどうなるのか…確かにそれは凄くわかる。



私も凪桜先輩に心開いて欲しいもん。




それでも瑠璃佳は納得いかない顔で首を捻った。






「なんかわかんないですぅ、トト先輩の理由もぉ、風子の理由もぉ。
恋なんて適当にやるものなんじゃないですかぁ?
一目惚れとか心を開きたいとかわかんないですぅ」






少し苦しそうな顔でそう言う瑠璃佳。



瑠璃佳はいつだって恋愛は遊びと捉えてる節があるから…。






「別にわかんねぇならいんじゃね?
人それぞれ性格も違えば恋愛観も違うし。
もしかしたらいつか、ルリちゃんも本気で誰かを好きになるかもしんないしな?」






苦しそうな顔の瑠璃佳の凪桜先輩はそう言って笑う。




その顔も言葉も優しくてなんだか私までドキドキで心臓がはりさけそうになった。




瑠璃佳もその言葉で少し気が楽になったのかいつもの笑顔を取り戻した。






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