先輩といろどる恋。˚✩
2人に見送られて観覧車内へと乗り込む私と凪桜先輩。
向かい合うように座って、私はにやにやする口元を懸命にこらえた。
だって大好きな先輩と2人で観覧車なんて夢みたいだもん。
「ねぇ」
「はい!?」
私が2人きりで緊張して何から話そうかと考えていると、突然凪桜先輩が言葉を発して想像以上に大きな声で返事をしてしまう。
「なんで俺なの?」
凪桜先輩は大きな声にも動じず、そんな疑問をぶつけてきた。
なんで、とは多分どうして凪桜先輩のことが好きなのかってことだよね?
「最初はもちろん綺麗な顔だと思いました。
でも私は顔よりも声のトーンだとか立ち姿歩き方、クールな感じなのに纏う色彩やかな雰囲気。
そういうので一目見て惚れました!」
そう、先輩は彩やかなの。
第一印象は青、でも話すと優しかったりするし深緑。
休日はオレンジで笑顔はピンク。
こんなにも印象が違う面があって、色んな色があって、楽しい人会ったことがないもん。
それを私は第一印象でなんとなく感じ取ったんだろうな。
だから初めて一目惚れしたんだと思う。
「一目惚れとかしたことないけど、中見知って思ってたのと違うって思わねーの?」
「思いません!!
クールだったりおちゃめだったり、色んな先輩を見てどんどん好きになるばかりです!
ダサくてもかっこよくても弱くても強くても先輩は先輩なので私は凪桜先輩が凪桜である限り好きです!!」
私の思いを言葉で伝えるのが難しいけど、それでも精一杯伝えると先輩はふっと優しく笑ってくれた。
「そっか、ありがとう」