先輩といろどる恋。˚✩
【瑠璃佳side】
風子とナギ先輩が観覧車に乗ってルリ達は待っておこうとしたところで係員さんに乗ると間違えられてトラ先輩と2人で乗せられてしまった。
トラ先輩はまだよくわかんない人なんだよねぇ。
物腰柔らかいけどナギ先輩より面倒くさそうというのが正直な今の感想。
「なんかごめんね乗せちゃって」
「いいえ〜、トラ先輩のせいじゃないですよぉ〜」
そんな他愛ない会話をしてからは特に話すこともな沈黙。
きっと風子はナギ先輩といい感じなんだろうなぁ。
思ったよりナギ先輩いい人だし、人がどんな人が見る目もありそうだし、風子はいい人すきになったね。
「ふーちゃんいい子だよね」
「いい子なんですよぉ〜。
ルリは女子に嫌われやすいしぃ、心遥は男女ともにオタクで引かれやすいのにぃ、風子だけは偏見持たずに仲良くしてくれるんですよぉ昔からぁ〜」
ルリは昔からぶりっ子と言われたり
心遥はキモオタと虐められてた。
そんなはみだし者にも平等に優しく笑ってくれるのが風子。
ルリも心遥もそんな風子が好きだからこそ、風子が好きになった人が風子を好きにならない人を見る目が無いのに毎回バカだと思ってきた。
風子と付き合えば楽しくて幸せになれるのにそれに気づかず付き合わない男はみんなもれなくバカ。
確かに顔は美人より可愛い系だけど小顔だしおめめパッチリだし、童顔だけど低い身長と相まって可愛い。
素直で純粋で優しくて元気でポジティブで裏表がない。
悪いとこなんてないような子なの。
「ナギ先輩は風子を幸せにできるんですかねぇ〜」
たとえ両想いになれなくても、今までは風子はいつだって真剣に向き合うから満足だって泣きながら笑ってた。
だから両想いじゃなくても風子に全力で向き合ってあげてくれるのかな。
そんな私のつぶやきにトラ先輩はクスッと笑う。