先輩といろどる恋。˚✩




翌日



放課後終わり次第近くの図書館に集まった私たちは、真面目にテスト勉強をしていた。




私は瑠璃佳に教えて、トト先輩には凪桜先輩とトラ先輩が教えている。






「ほんとに、なんでこんなに理解できないんだもう俺教えらんね」



「待って待ってっ!トラくんよりナギくんのがわかりやすいのに匙投げないでっ!」



「だったら真面目にやれよ」






暫く勉強したところで、トト先輩と凪桜先輩のそんな口論が聞こえてきた。






「どうしたんですか?」



「ナギくんが虐める〜っ!」



「いくら教えても理解しないどころかお絵描きとかするからだろ」



「だってつまんないもんっ」



「ガキかよ…」






つまんないと駄々をこねるトト先輩に呆れた顔の凪桜先輩。



それがまるで子供に手をやく父親みたいで可愛い。






「おい、変な妄想するなよ」



「またバレましたか!!」






脳内で先輩と将来の子供を想像してニヤつく私をはたく先輩。



もうこの先輩に見透かされる感じもそれに叩かれるのもたまらん!






「いちゃつかないでっ!」



「いちゃついてねーよ!」



「いちゃつくだなんて照れます!!」



「お静かに!!」






私たちのそんな声に図書館の人に怒られてしまった。






「トト先輩はどこで躓いてるんですか?」



「えー、この古文全部」



「全部…ですか」






学年の違う問題なんて解けないだろうと思いつつテキストを覗き込むと、そこには支離滅裂な文が並んでいた。






「えっと…トト先輩は基本が疎かになってるんじゃないでしょうか?
古文は何となくで解いたら解けないと思います。なので…」






失礼かもしれないが、私の古文の教科書とノートを渡す。






「1年の基礎からやるとすごく伸びると思います!
どの教科もですが、基礎ができてないと全くなので躓いたらまず基礎ができてるのか?を確認してどこから躓いたのか導き出すと勉強しやすいです!」






< 54 / 148 >

この作品をシェア

pagetop