先輩といろどる恋。˚✩




親が勉強で厳しかったから、自分なりに努力した私のやり方を生意気ながらも伝えると
みんな、驚いた顔で私を見る。






「マジで頭いいんだな?」



「ほんとだね。ノートとか教科書もすごくわかりやすい書き込みだね」



「すごいっ!ありがとうっ!ノートと教科書借りてもいいっ?」






凪桜先輩とトラ先輩とトト先輩はそれぞれそんなことを言いながら私の渡したノートと教科書を見るもんだから少し恥ずかしい。



勉強なんて誰でも基礎を学んで理解を深めればできることだから自慢するようなことでもない。






「私なんかのでよかったら使ってください!」






少しでも役に立てるなら嬉しいと了承すると嬉しそうにお礼を言うトト先輩。



そんな会話をしていると、ふと隣にいた心遥が居なくなっているのに気がついた。






「あれ?心遥は?」



「えぇ〜わかんないよぉ〜?
ルリ風子に言われた問題ずっと解いてたもぉん〜」






瑠璃佳も勉強が苦手だから私が毎回教えたりしてて、大体テキストを渡して解き方を説明したらあとは自力で解いて答え合わせ。間違ってるとこの説明と類似問題を解く。


を繰り返したら伸びるタイプだから、今回もテキストを解いてもらってたらいつの間にか心遥が居なくなっているだなんて。




体調悪いとかじゃないよね?







「ちょっと探してくるね!」



「はぁい〜、ルリ解いとくねぇ〜」



「うん!頑張って!」






心遥がふらっとどこかにいなくなるなんて滅多になくて不安だ。



最近の心遥はどこか影があったから尚更。






< 55 / 148 >

この作品をシェア

pagetop