先輩といろどる恋。˚✩
突然の後輩の登場にしんと鎮まった空気を壊すように声を上げたのは
身長は私と変わらないくらいの男の子にしては低めの身長で、顔も可愛らしくネクタイをリボンのように結んだ男の人だった。
「道場破りみたいな子が来たねっ!
ナギくんなら今出てるけどすぐ戻ってくると思うよーっ!」
ニコニコと先輩とは思えないような(いい意味で)可愛い人は私達に近づいてそういう。
わざわざ教えてくれるなんて優しい人だ。
そう思いながらお礼をしようと口を開きかけたところで私の後ろから声が聞こえてきた。
「あれ?トトどうしたの?この子達は?」
「トラくん!この子達ナギくんに用があるみたいだよっ!」
トラくんと呼ばれた短髪の男の人の隣に居たのは、私たちが探していた凪桜先輩だった。
やっぱりカッコイイ!!
「な、凪桜先輩!!七海風子です!
昨日のお礼にと思ってこれ持ってきました!!受け取ってください!!」
長身で気だるげな表情なのに立ち姿は凛としていて素敵な凪桜先輩に持ってきたプレゼントを差し出すと、先輩は怪訝そうな顔を私に向ける。
「ってか誰?」
そしてまさかの覚えられていない展開ですか!!!
悲しみの展開に心が挫けそうになるのを堪えて笑顔を作った。
「七海風子です!
昨日雑貨屋でコースターをいただきました!」