先輩といろどる恋。˚✩
「まぁ遊び相手くらいにはなるかと思ったんでぇ〜」
「馬鹿じゃん。遊ばれるのはルリちゃんのほうだろ」
「酷いですねぇ〜」
「ほんとのことだよ。
男女関係で傷付くのは女の子なんだから自分を大事にしな。
せっかく可愛い顔してんだから」
いつも面倒そうなくせにそんなこと言ってくれるナギ先輩に不覚にもときめいてしまう。
だめだめ、相手は風子の想い人なんだから。
「ナギ先輩ってすごく思わせぶりですねぇ〜」
「むしろ逆だろ」
「えぇ〜、元カノにも肩抱いてたし、ルリにもしましたよぉ?」
「あれは絡んでるの助けるためだろどっちも」
「えぇ〜罪な男ですねぇ〜」
キュンとしてしまった自分を誤魔化すようにそんなことを言うと、先輩は呆れた顔のまま呆れたように言葉を発する。
「俺は自分のしたいことをしたいようにしてるだけだから罪な男だとか思わせぶりだとかは受け取り手本人次第だろ」
なんの迷いもなくそう言ってのける先輩にルリはどうしようもなく惹かれてしまった。
だってルリは計算してどうやったら可愛いか、どうしたらこの人はどうするとか考えて動いてる。
それを自分のしたいように生きて、モテる。
そして人が困ってたら助けてくれる。
たとえそれが仲良い後輩の友達だからでも、助けてくれる。
どうしようもなく、惹かれるでしょこれ…。