先輩といろどる恋。˚✩




「とにかく、自分を大事にしろよー?」






ナギ先輩はそう言うと私の頭をポンポンと撫でて歩き出す。




その後ろ姿が今まで見ていたものとは違って見えて、ルリは頭を抱えた。





だって、大事な風子の大好きな人。




こんな気持ちを抱えたって風子が悲しむだけだし、ルリだって言うつもりない。







「はぁ…」






よりによって自分から好きになった人が友達の好きな人だなんて最悪だ。






「まぁ、すぐ諦めつくよねぇ〜」






大丈夫。


恋は遊びみたいなもんだし。


たまたま好きになったけどそのうち諦めつくよね。





ルリは湧いてきた自分の気持ちにそう蓋をして、風子達を応援する気持ちは変わらないままルリも歩き出した。





大丈夫。





ナギ先輩への気持ちなんて一過性のものさ。






< 62 / 148 >

この作品をシェア

pagetop