先輩といろどる恋。˚✩
「よし、じゃあとりあえずエッチしますぅ?」
恋人になったからにはそういうことをするのは普通で当たり前で礼儀だと初めて付き合った人に言われてからはそれが普通の私がそう言うと
トラ先輩はキョトンと目を丸くした。
「しないよ?
付き合ったばかりでするなんてことはしない。
ましてや好き同士って訳でもないなら余計だよ」
キョトンとそんなことを言うトラ先輩に今度はルリがキョトンとしてしまう番だった。
「え、したくないんですかぁ?」
「したいしたくないじゃなくて、俺は信頼関係ができてからじゃないとしないし、傷つくのは女の子の方だからね?」
え、なに?ルリに魅力がないの?
毎日髪も肌も手入れに時間をかけて、9時には寝るようにしてて、仕草も喋り方も洋服も持ち物も女の子らしくしてるのに??
顔しか取り柄がないからと見た目を磨いてきたのに??
まだ魅力が足りないの??
「どうして!ルリのどこに魅力が足りないのぉ!?」
「魅力が足りないとかはないよ?どうしたのルリちゃん」
顔だけが取り柄なのに。顔だけが…。
なのにこの顔でもダメなの?
グルグルと渦巻く不安で押しつぶされそうになるのを必死にこらえて笑顔を作った。
「そっかぁ〜!じゃあ仕方ないねぇ〜!」
もっと可愛くならなくちゃ。もっと魅力的にならなくちゃ。
ルリの価値は顔だから。