先輩といろどる恋。˚✩
3章
一颯くん
そして迎えた土曜日。
夏休み初日。
あの後心遥とも瑠璃佳とも特に恋愛の話をせずに終わったからどうなっているのかは分からないけど、先輩達の方は普通通り仲良いみたいだった。
そして今日は一颯くんと妹ちゃんの誕プレ買うために付き合うと約束したから会うのだが、緊張する。
だって出会って間もないよく分からない子とお出かけだなんて。
今までこんな男の子と2人で休日にお出かけなんてしたことないから特に緊張。
「何モジモジしてんだよ」
約束場所に早くついた私にそう話しかけてきたのは一颯くん。
「いやー、男の子と休日2人で出かけるの初めてで緊張しちゃって!」
「なんだそれ、初心かよ」
「ウブなんです!」
可笑しそうに笑う一颯くんに笑い返して歩き出す。
「お前ん家雑貨屋なんだろ?」
「うん!なんで知ってるの?」
「お前と同中の男子に聞いた」
「なるほど!」
「雑貨屋の娘ならお前ん家の雑貨でもいいけど。
その方がどんなのがいいとか分かるだろ?」
一颯くんの気遣いなのか、そんな言葉に私は少し悩む。
いや、本来なら悩む必要ないかもしれないけど…最近は両親が何かと喧嘩がちでお母さんいらいらしてるんだよね…。
流石に仕事でそれは出さないだろうけど…なんとなく私も顔を合わせにくい。
でもここで断るのも変だし、何より一颯くんの妹さんに似合いそうなものを選んであげたいしね。
「じゃあうちにいこうか!」