先輩といろどる恋。˚✩
「どんなやつなんだよ」
なんとも言えない顔の一颯くんの質問に私に興味持ってくれたりするんだなんて意外に思いながらも質問に答える。
「いつも面倒くさそうにしてるのにすごく優しいの!
絶対に私への一線は引いてるけどむしろそれが心地よいというか乗り越えて付き合いたい!って思わせるような感じ!」
届きそうで届かない、近いのに遠い。
まさにその言葉があう人間が凪桜先輩。
「へー。お前付き合ったやつに簡単に染まりそうだもんな。真逆じゃん」
「そうかな!?」
付き合ったことないからなんとも言えないけど、先輩を私色に染めるのもありだし、私が染まるのも全くもって悪くない。
いやまぁまず付き合うことからなんだけどね。
「あほらし。
お前は好きじゃないやつにもこんな態度なんだな」
「え??」
「俺は好きなやつしか特別扱いはしねーし、わざわざ自分の時間割いたりしねーな」
突然不機嫌になった一颯くんはそういうと、私から顔を背けて出口へと歩いていった。
「ちょっ、どうしたの一颯くん!」
「じゃーな」
なにか怒らせたのだろうか、先輩のことを話す私がキモかったとか??
そんな思いをめぐらせる私に目もくれず一颯くんはお店から立ち去ってしまった。
私は何を怒らせてしまったのかはよく分からないまま。