先輩といろどる恋。˚✩
夏祭り
時が過ぎるのは案外早く、約束の夏祭りの日。
心遥も瑠璃佳も浴衣着ると言ってたから私も自分でなんとか着付けをして、家を出ようとしたところでガチャっと玄関が開く音がした。
「やーだー!うちで良かったらいくらでも来てよー!」
「お、いいねぇ〜俺もうヒモになるわ」
「いいよ、養ってあげる♡」
玄関の音と共にお母さんと男の人の声が聞こえてきて私は急いで駆け寄る。
と、そこには知らない男の人と腕を組む今まで見た事ないようなケバいメイクと肌の出る服を着たお母さんが居た。
「お母さん!」
「あらふう居たの?」
「心配してたんだよ!」
「あ、今日からヒロシさんが一緒に住むからよろしくねぇ〜?
今からよろしくするからお母さんの濃厚な姿見たくなかったら早く出て行って?」
「え?」
今までのお母さんとは思えない様子のお母さんとヒロシさんと呼ばれたチャラそうなおじさんは
私から目線を外すとリビングだと言うのにそそくさと服を脱ぎ始める。
な、なに?!
「ちょっと!お母さん!」
私の呼び掛けにお母さんは反応せずそのままヒロシさんとキスし始めるのを見て私はリビングから出た。
見たくない。あんなお母さんの姿なんて。
さっきまでの先輩と会えるウキウキが消え、気分が晴れないまま私は待ち合わせ場所へと向かった。