先輩といろどる恋。˚✩
「お母さん!」
そう、目が合ったのは先程家に男の人と帰ってきたお母さんと先程の男の人。
「あら、この前の男の子とは違う子?
風子もお父さんと同じで浮気性ね。最悪よ」
「え?この前の子も先輩も付き合ってないよ!」
「へぇ、そう」
突然突き放される言葉に心が痛くなりながらも平気なフリをする。
「あ、ヒロシさんと話し合ってこれから風子にはお金一切かけないことになったからね。
学費も食費も遊ぶお金も全部自分でなんとかしなさい。
大学も行きたいなら自分で何とかするのよ」
「なんで…?」
「ここまで育てたんだからいいでしょ。
お父さんもいないし、私はもう私の人生を生きるから。」
「そ、そんな…」
「お父さん似の貴方のこともう育てたくないわ。
行きましょうヒロシさんっ」
「おう」
お母さんは突然そんなことを言ったかと思うとヒロシさんと共に去っていってしまった。
せっかく楽しい気分が台無しだよ。
なんて思いつつも、このまま重い空気は嫌で楽しくしたくて私は笑顔を作る。
「さ!わたあめ買いましょ!」
「そうだな」
何か言いたげな先輩だけど、何も言わないでくれて助かる。
大丈夫。
今私は高校1年の16歳だけど、あと4年だけ我慢したら自由だもん。
たったこれの事で挫けたりなんてしない。
私は私にそう言い聞かせて先輩と楽しく祭りを回ったのだった。