先輩といろどる恋。˚✩
「わざわざ家までありがとうございました!」
花火を見終えて人混みに揉まれながら先輩が私を家まで送ってくれた。
まるでデートだったなぁなんて幸せな気持ちの私。
「ふーちゃん」
「はい?」
「付き合おうか」
え??
今なんて???
「俺と付き合う?」
驚いて声が出ない私にもう一度そう言う先輩に思わず私は自分の頬をバシバシと叩いた。
が、痛い。痛いということは夢じゃない。
「ぜひ!!!付き合わせてください!!!」
現実だと理解した私が頭を下げてお願いすると、先輩はははっと面白そうに笑った。
「こちらこそ、よろしく」
「確認ですが!付き合うと言うことは彼氏彼女ということですよね!?」
「うん、そう」
「わーー!!やばいですー!!!」
なんで急に付き合ってくれる気になったのかは分からないけどこんなに幸せなことは無い!
初彼氏でこんなに素敵な先輩と付き合えるなんて!
「先輩、触っていいですか!?」
「触る?断ります」
「失礼します!」
怪訝そうに断る先輩の返事なんて聞かずに私は先輩の手を握ると暖かくて私より大きな手で触れても怒られない間柄になれたんだと嬉しさが爆発しそう。
「ほら、また会う時連絡するから。
家入りな」
「わかりました!!おやすみなさい!!」
「はいはい、おやすみ」
呆れたように笑う先輩に手を振って家の中に入る私。
あまりに幸せな出来事で心がウキウキと弾む。