不倫彼氏とデートした夜、交通事故に遭ったら、出逢う前に戻っていました。
本当はマッキーが私以外の女と寝ることが、嫌で嫌でたまらなかったけれど、さばけたイイ女を演じたくて我慢した。

「避妊してなかったのね。──じゃあ、私達、どうするの?」

言葉を放ったままこちらを見ないマッキーに、私は裸の腕を絡めた。

私は28歳のアラサー。けれども離婚を迫ったことはない。
それはマッキー自らが、前回のデートで言った言葉だ。

私の服を脱がせながら、シャンパンの香りがする甘い息と一緒に、耳元に落とした。

『紗智と離婚して、玲奈と一緒になりたいな。そうしたら、毎晩、こうできるのに』と──。

「どうしよう」

マッキーがやっと私を見て言った。
溜息が出るほど、美しい目で。

マッキーの指が私の敏感な部分に触れてくる。
どうして、こんな時に、こんなこと、してくるの。ふざけないで──。
けれど──情けないくらい、躰が熱くなる。

「どうしたい?」

「終わらない、わ」

私は目を細め、うっとりして言った。

「終わらせない……。続くの……。だって……、こんなにも……、マッキーが好きなんだもの」

マッキーの指の動きが速くなる。

「紗智より先に──、玲奈と出逢ってたら──」

ゆっくりとそう言ってから、マッキーの唇が私の唇を塞ぐ。
とろけるようなキスの後、マッキーの声が脳天で響く。

「こんなに切ない思いをしなかったのに──」

           ♡

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