婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす~甘くほどける政略結婚~
今日のデートに選んだのは白と黒のギンガムチェックのサンドレス。
肩紐がリボンになっていて涼しげだけど、マキシ丈なので露出が気にならないし、散策することを考えてスニーカーとも合わせやすい方がいいかと、悩みに悩んで決めた。
黒いリボンのついたつばの広いストローハットと、薄手の白いカーディガンで、日焼け対策も抜かりない。
対する怜士は、白い大きめのカットソーに細身の紺のパンツ。飾り気のないシンプルなコーディネートなのに、素材がいいせいか、とてもオシャレに見える。
「俺のために可愛くしてきてくれたんだよな」
眩しそうに目を細められ、意地を張るなんて出来なかった。
おずおずと頷くと、怜士は嬉しそうに微笑んでくれる。
「行こうか」
繋いだ手を引かれ、商店街を歩き出した。
お土産屋さんにカフェ、工芸品を扱っていたり地元の特産物を売るお店など、目についたショップに入ってはスイーツを買ったり、店内の雰囲気を味わったりと存分に楽しむ。
特に気に入ったのはテイクアウトも出来るベーカリーで、カレーパンとマドレーヌが絶品だった。