婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす~甘くほどける政略結婚~
「でも俺は陽菜を自分のものにする日を待ってた。二十五の年に陽菜と結婚するように言われたときから、ずっと待ち望んでた」
真っすぐな言葉に、胸が熱くなる。
「誰にも渡したくないし、俺だけのものにしたい。ずっと、子供の頃から陽菜だけが好きなんだ」
独占欲をむき出しに見せられて、戸惑うどころか嬉しく感じている。
浅く溢れた吐息は、自分でもわかるほど恋の色に染まっていた。
だけど、昔から私のことをこんなにも好きでいてくれたのに、他の女の子と関係を持っていたことが気になってしまう。
過去に嫉妬はしたくない。
でも私という本命がいたのにも関わらず、他の女性に手を出していた事実を割り切れない。
「恋人ごっこ、もうおしまいにしようか」
「え?」
「私もね、子供の頃からずっと怜士が好きだった」
唐突な私の告白に、怜士は目を見開いている。