婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす~甘くほどける政略結婚~
キスをしたままバスローブの紐が引かれ、合わせが左右に開かれた。
慌てて腕で下着を隠そうとするが間に合わず、怜士の目に晒される。
カーテンを引いてくれてはいるものの、外が明るいため部屋の中も真っ暗にはならない。
無言でじっと見られれば、羞恥に身を捩りたくなる。
「そんなに、見ないで……」
じわりと滲んできた涙で瞳を潤ませて懇願すると、怜士は苦笑して髪を撫でてくれた。
「これくらいで泣いてたら、あとが大変だぞ」
「だって、恥ずかしい……」
「わかった。じゃあ恥ずかしいって思う余裕をなくさせる」
キスを再開させ、大きな手が身体中に触れていく。
口内を隈なく刺激され、あっという間にキスに夢中になる。おずおずと舌を絡め返すと、怜士がクスッと喉の奥で笑った。
「いい子」
普段自分が園児にするように頭を撫でられる。子ども扱いだって思うのに、今はそれが心地良い。
唇が首筋に降りてきて、キスをされたり舐められたり、時折痛みと共に吸い上げられたりと、徐々に遠慮がなくなると同時に、私の呼吸も乱れていく。