婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす~甘くほどける政略結婚~
そのまま怜士の指先と唇は私の胸元に辿り着き、同じ様に愛撫を施し始める。
いつの間にか背中に回った手にホックを外され、新品のブラは呆気なくお役御免でベッドの下へ。
前に触れられたときは、怖くて悲しくて身体が震えた。
だけど今は、触れ合える喜びに心が震える。
「ん……っ、あぁ……」
怜士の舌が胸の先端に触れるたび、はじめての感覚に堪えきれない吐息が漏れる。
「や、んん……」
聞いたことのない自分の甘い声に耳を犯され、恥ずかしくて必死に唇を噛み締めたのに、許さないとばかりに弱い部分ばかり虐められる。
「あぁっ!」
「いいな、陽菜のその声。ずっと聞きたかった」
「やだぁ……」
半泣き状態で口を塞ぐことを許してほしいとお願いしたのに、怜士は意地悪く笑うだけで聞いてくれない。
話が違う。嫌がることはしないって言ったのに。
そう反論したくても「本当に嫌か?」と聞かれたら、答えられない自分がいるのはわかってる。
怜士もそれを理解して、したいようにしているのだから憎たらしい。