婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす~甘くほどける政略結婚~
そのまま唯一身体を隠していた下着も取り去られ、一番敏感な部分に触れられる。
ゆっくりと優しい指先から私への気遣いが感じられるけれど、怜士の表情を仰ぎ見ると、先程までの余裕さはなく、眉間に皺を寄せている。
「怜士?」
「ん?」
「こわい顔、してる……」
人差し指でそっと彼のおでこを撫でると、ハッと胸の中の空気を一気に吐き出してから小さく笑った。
「早く陽菜の中に入りたくて。悪い、怖がらせたか?」
「ううん」
予想外の理由に、なんと返したらいいのかわからない。
それでも私が拒絶を見せていないと悟った怜士は、先程よりも表情を和らげて私の全身を愛し始めた。
「陽菜、痛かったら言って」
時間をかけて丹念に身体をほぐされ、怜士がひとつになる準備を手際よく済ませながら言った。
「痛いかな」
「わかんないけど、たぶん。でもこれだけ濡れてれば大丈夫」
「はっ、恥ずかしいこと言わないで!」
「お前が聞いたんだろ」