婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす~甘くほどける政略結婚~
二の腕から肩を包むようにして力強く抱きしめられ、ぴったりと重なった身体に幸福感を得たもの一瞬。
色香を纏った鋭い瞳に睨まれ、噛みつくようなキスをされ、奥の奥まで貫かれた。
「あ、あっあぁ……!」
「好きだ、陽菜。愛してる」
激しい律動についていけず、怜士の言葉に頷くことすら出来ない。
ただ必死に目の前の愛しい人にしがみつき、与えられる愛に溺れた。
宣言通り、恥ずかしいと思う余裕もなく髪を乱して悶える私を、怜士が幸せそうに見下ろしながらさらに穿つ。
「俺のものだ、やっと。絶対に離さない」
過ぎた快感が弾け意識が白んでいく中、苦しいほどに抱きしめられながら囁かれた言葉は、幸せの旋律を奏でていた。