婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす~甘くほどける政略結婚~
間違っても、冷たい視線で見下したり、困ってても見て見ぬ振りしたり、浮気が絶えず女遊びが激しい男は嫌。
まして付き合ってもいない合意のない女を押し倒してコトに及ぼうとするような男は願い下げ。
目の前の男とは正反対の男性と、甘くて穏やかな恋をするのだ。
私は胸元でぐっとこぶしを握って決意すると、眉間にシワを寄せ不機嫌そうな顔をしている怜士を負けじと睨み返した。
「その相手は、絶対に怜士じゃない」
「ふざけるな。お前は俺のものだ」
手に入らないおもちゃに癇癪を起こす子供に付き合っている暇はない。
私はベッドから降りると、怜士の静止を無視して、無駄に豪華なスイートルームをあとにした。