婚約解消するはずが、宿敵御曹司はウブな許嫁を愛で尽くす～甘くほどける政略結婚～

私がここ『まんぷく保育園』で働き始めて二年。

０歳児から五歳児クラスまであり、０歳児と一歳児の乳児クラスは各五人、二歳から五歳の幼児クラスは平均二十人ほどの園児が通っている。

保育士は満福（みちふく）園長を含めて十八名。そのうち二人は看護資格を持っている先生で、他に栄養士が四人在籍し、勤務はシフト制だ。

保育士は子供の命を預かる重責のわりにお給料が安く、離職率が高いとされているけど、私は素敵な職業だと自負している。

幼い子供たちにとって、一日のほとんどを過ごす保育園にいる私たち保育士との関わりは、とても重要なもの。

彼らの成長の手助けを担っていると思うと責任を感じるけれど、その分やりがいがある。

それに、保育士ほど笑顔に溢れた職業はないと思う。作られた営業スマイルではない、本物の笑顔。

子供たちと過ごす中で気付かされることもたくさんあり、自分も一緒に成長できる素晴らしい仕事だ。

三年目の今年、私は最年長のばら組を担当している。小学校に上がる準備の年でもあり、若干のプレッシャーはあるものの、任せてもらった以上は必死に頑張りたいと思う。