男装獣師と妖獣ノエル ~騎士団で紅一点!? 幼馴染の副団長が過保護です~
ビアンカは、ちょっとわがままな性格も持っている。数日元気がないという様子について、ラビは手を動かせながら、多分今回もその線だろうなぁと思った。
『メシが美味くねぇってあたりじゃね?』
「……いやいや、まさかそんな理由で呼ばないでしょ」
『お前、今ちょっとそうかもって思っただろ。俺、あのメス猫苦手なんだよな。お高くとまってるし、初対面で引っ掻かれた事は忘れねぇ』
黒大狼のノエルの姿は、人間には見えないのに動物には見えてるようなのだ。幽霊ではなく実体もあるので、どうして自分以外の人間が、彼を見る事が出来ないのか、ラビは不思議でたまらない。
当時はビアンカも仔猫だったので仕方ない。ラビは常々フォローするように言い聞かせてはいるのだが、ノエルは『鼻先ってバカに痛ぇんだぞッ』と主張を譲らないでいる。
訪問予定の時刻まで時間があったので、ラビは室内を一通り片付け、家の裏手に出て少し菜園の世話もした。道側から慌ただしい馬車の走行音が聞こえたが、興味はなかったので目は向けなかった。
『メシが美味くねぇってあたりじゃね?』
「……いやいや、まさかそんな理由で呼ばないでしょ」
『お前、今ちょっとそうかもって思っただろ。俺、あのメス猫苦手なんだよな。お高くとまってるし、初対面で引っ掻かれた事は忘れねぇ』
黒大狼のノエルの姿は、人間には見えないのに動物には見えてるようなのだ。幽霊ではなく実体もあるので、どうして自分以外の人間が、彼を見る事が出来ないのか、ラビは不思議でたまらない。
当時はビアンカも仔猫だったので仕方ない。ラビは常々フォローするように言い聞かせてはいるのだが、ノエルは『鼻先ってバカに痛ぇんだぞッ』と主張を譲らないでいる。
訪問予定の時刻まで時間があったので、ラビは室内を一通り片付け、家の裏手に出て少し菜園の世話もした。道側から慌ただしい馬車の走行音が聞こえたが、興味はなかったので目は向けなかった。