勘違いの恋 思い込みの愛
早朝7時。パン屋の朝は早い。焼きたてのパンが次々と棚に並べられていく。
村上梨花がこの店の販売スタッフとして働き始めてから2ヶ月が経とうとしていた。
町の小さなパン屋だったが、店主が材料に拘り丁寧に焼き上げるパンはとても人気があった。元々ここのパンが大好きだった梨花は、週3、4回ペースで訪れていた為、店主やスタッフとも顔見知りだった。
そして縁があって、ここで働けることになった。
2ヶ月前のある日、目当てのパンを購入し店を出た梨花は、前回来た時にはなかった貼り紙に気付いた。
見ると、販売スタッフ募集の貼り紙だった。
「あれ? もしかして梨花ちゃん、パートに出ようって考えてる?」
貼り紙を眺める梨花に、店の前を掃除していた店主が声を掛けた。
「ええ。でも家事との両立が出来るか不安なんで、短時間で考えてるんですけどね」
梨花は少しはにかみながら答えた。
「それだったらうちおいでよ。梨花ちゃんなら即採用だよ。時間も日数も梨花ちゃんの負担にならない程度から始めればいいよ」
降って湧いたような話だった。
「えー! ほんとですか? ここで働けたら幸せ過ぎますー!」
「そんな梨花ちゃんだからだよ。うちのパンを愛してくれてる梨花ちゃんみたいな子に来て貰えたら、こっちも幸せだよ」
店主は笑顔でそう言った。
「あの……今日1日お時間頂けますか? 主人と相談して、明日お返事しにきます」
「わかったよ。待ってるね」
梨花は胸を弾ませ自宅へと急いだ。
村上梨花がこの店の販売スタッフとして働き始めてから2ヶ月が経とうとしていた。
町の小さなパン屋だったが、店主が材料に拘り丁寧に焼き上げるパンはとても人気があった。元々ここのパンが大好きだった梨花は、週3、4回ペースで訪れていた為、店主やスタッフとも顔見知りだった。
そして縁があって、ここで働けることになった。
2ヶ月前のある日、目当てのパンを購入し店を出た梨花は、前回来た時にはなかった貼り紙に気付いた。
見ると、販売スタッフ募集の貼り紙だった。
「あれ? もしかして梨花ちゃん、パートに出ようって考えてる?」
貼り紙を眺める梨花に、店の前を掃除していた店主が声を掛けた。
「ええ。でも家事との両立が出来るか不安なんで、短時間で考えてるんですけどね」
梨花は少しはにかみながら答えた。
「それだったらうちおいでよ。梨花ちゃんなら即採用だよ。時間も日数も梨花ちゃんの負担にならない程度から始めればいいよ」
降って湧いたような話だった。
「えー! ほんとですか? ここで働けたら幸せ過ぎますー!」
「そんな梨花ちゃんだからだよ。うちのパンを愛してくれてる梨花ちゃんみたいな子に来て貰えたら、こっちも幸せだよ」
店主は笑顔でそう言った。
「あの……今日1日お時間頂けますか? 主人と相談して、明日お返事しにきます」
「わかったよ。待ってるね」
梨花は胸を弾ませ自宅へと急いだ。
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