あの夏の日の午後のこと、私はきっと忘れないだろう
・またフラれた日曜日

私、牧田紗良(まきた さら)、19歳。


よく晴れたデート日和の、今日。

私は彼氏にフラれた。


あ、違う、正確に言えばフッたのは私の方だけど。

内容は、売り言葉に買い言葉。

その始まりを持ってきたのは彼氏の方で。

その言い分が頭に来て、今まで積もり積もってたいろいろを言いたい放題吐き出して、もう終わりだと勝手に宣告して帰ってきたのが私。

まあ、結果的に別れることになったのに違いはないし、ほんの半年くらい付き合っただけの彼氏……あ、もう元カレだ。

そんな感じの相手だったから、それはもういい。

私、それなりにかわいいし、男の子にだってモテないわけじゃないから、きっと次の彼氏もすぐできる。


アイツのことなんて、気にしないし、引きずらない。


だけど、多分、最後のアイツとのやり取り……その時にに言われたことが、私の胸にグサッと刺さって、今も出て行ってくれない。


それが、悔しいし、情けない。


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