あの夏の日の午後のこと、私はきっと忘れないだろう

誰にも言えない想い。


誰に言うこともなく、叶わないと知った願い。


もし、誰かに言ったとしても、きっと応援なんてしてもらえない。


そんなことはわかりきっていたから、私はずっと忘れようと頑張ってきた。


男の人に告白されて、悪くないと思えば付き合ったし。

ちょっとでも、いいなと思うところがあれば、好きになろうと努力した。

男の人と付き合ったらするような事は多分ひと通りやってみたし。

雑誌や友達の話に出てくる、キュンとする!ってことをいろいろ試してみたりもした。


それくらい、本当の本気で、あの人じゃない誰かを好きになりたいのに。

あの人じゃない誰かでは、あの人みたいに好きになれない。



そんな思いを抱きながら、もう何年も、私は苦しい時間を過ごしてきた。


あの人と初めて会ってから、もう10年くらいの時が経つ。



これから先も、私はこんな風にあの人を思いながら、叶わない想いを抱きながら、こんな虚しい日々を過ごしていくんだろうか?
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