あの夏の日の午後のこと、私はきっと忘れないだろう
両腕をお腹に回して、ぎゅっと抱きつく。
「好きでした…………ずっと、ずっと前から」
あなたの顔を見る度、あの日の横顔を、後ろ姿を思い出す度に、こうやって、抱きしめて、そばにいたいと思ってた。
ぎゅうっと。
私の中にある気持ちが伝わるように、ぎゅっと腕に力を入れて。
結婚してる人だから。
伯母さんが、いるから。
私がまだ、子供だから。
立ちはだかっていた壁が、全部なくなった今なら…………もう、いいでしょう?