そして僕はまた、君に出会える時を待つ

思い返してはみたけれど……こんなに赤くなるほど、恥ずかしくてたまらないようなことを、僕は彼女に強いただろうか?


何か、嫌な行為があった?

痛かった?

下手だった?

キスがねちっこすぎた?


いろんな可能性が錯綜したけれど、どれも悪くない反応だったような記憶しかない。

「加奈子さん?」

肩に手を置くも、背中を向けたままの加奈子さん。

「何が、ダメでした?」

振り向かない彼女の耳元に、軽く唇を触れさせるだけのキスをして。

反応を窺うけれど、加奈子さんは黙ったまま。

「教えてください」
「……んっ」

僕の唇が耳たぶをかすめると、加奈子さんは息を詰めるような吐息交じりの声を漏らし、身をよじって、こちらを振り向いた。

「ダメじゃなくて…………」

言い淀む彼女の瞳はまだ、溶け合った瞬間と同じようにしっとりと濡れていた。

その瞳に下腹が疼くのを感じながら、彼女を見つめて。
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