そして僕はまた、君に出会える時を待つ
「好きです」
僕の想いが、ちゃんと届くように。
目を合わせながら、細い指の一本一本に想いをこめた唇を押し当てる。
びくっ、と跳ねるような反応を見せた加奈子さんの肩を抱きすくめて。
「好き……」
ゆっくりと近づき、何度も確かめるように唇を重ねていく。
「ちょっ……ぁ……」
「加奈子さん……好きです」
キスの合間に、戸惑うような声が上がったけれど、不安の消えた僕は、もう止まらない。
「……だから、もっと……あなたを知りたい」
小鳥のような、幸せなキスを何度も繰り返して。
ぼくは、鼻先が触れ合う距離の彼女にきちんと確認をする。
「ダメですか?」
「………………ダメ、じゃない……」
僕の問いかけに切なげに眉を寄せた彼女は、僕の頭を抱きしめるようにして。
離れていた、2人の唇の距離をゼロにした。
これが、始めての夜の終わりで。
僕らの、始まりだった。