そして僕はまた、君に出会える時を待つ
激情のままに加奈子さんを見つめた僕は、正直、今すぐに彼女を連れて店を出たい気持ちを必死に抑えていた。
彼女と一緒の時間を過ごして、僕の中にあった気持ちは日に日に成長し、既に抱え切れないほどに大きくなっている。
加奈子さんが、好きだ。
これまでの幸せを、彼女を失いたくない。
好きなのに…こんなに、好きで、一緒に楽しい時間を過ごしたのに。
こんなにも簡単に、しかも一方的に終わりを告げられるなんて…
今、僕の中に渦巻く怒りにも似た想いを、加奈子さんに伝わるのなら……
近くのホテルにでも連れ込んで、僕のありったけの気持ちをぶつけて。
めちゃくちゃに甘く溶かして……わからせたい。
加奈子さんの中にほんのちょっとでも、僕への気持ちが残っているのなら、その気持ちを呼び覚ましたい。
僕にできる全てを使って、全力で、すがって……
それで彼女を繋ぎとめられるなら、そうしたい……今すぐに。
…………だけど。