そして僕はまた、君に出会える時を待つ
・僕らのカタチ

「その……昨日の、やっぱりナシってことにしてもいいのよ?」

加奈子さんの言葉に、まどろんでいた僕はバチッと一気に目が覚めた。

「……ナシ?」
「うん……私はあの言葉だけで嬉しかったし、勢いだけで決めることでもないと思うし……」

朝方の眩しい光の中、大好きな彼女の重みを腕に感じながら髪を撫で、昨日のプロポーズの余韻に浸るという至福の時間が台無しだ。

これは、ちょっと……お仕置きが必要なんじゃないだろうか。


ちょっとムッとした僕は、彼女の頭の下にあった腕を肩の下に差し入れ、抱き起こしながら90度回転。

驚きと羞恥に染まっていく彼女の顔を、真下から覗き込んで問いただす。

「…………イヤなの?」
「イヤとかじゃなくて……やっぱり、早すぎるんじゃないかって思って」
「昨日の話と、言ってることが違うような気がしますけど?」

顔にかかる短めの髪を耳にかけながら、軽く口づける。
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