そして僕はまた、君に出会える時を待つ
「私は、今の仕事が好きなの。ずっと仕事が一番だったし、彼氏を優先しないという理由で別れたことだってある」
初めて会った時から感じていたことだけれど、彼女は自分の仕事に誇りを持ち、生活の大部分を仕事に捧げている。
自分自身の体調管理や、その他の様々なことを整え、努力しているのもそのためのように思える。
希望の大学に入れなかった、と彼女は嘆いていたけれど、僕からすれば、彼女がしてきたことは、ちょっと有名な大学に入ることなんかより、もっとすごいことだ。
これを言うと、嫌味に聞こえるかもしれないから、言ったことはないけれど。
僕は心から、そう思っている。
それがわからない男なら、別れて正解だったし、僕としては、ありがとう、と言いたいくらいだ。
「きっと、私は結婚に向いてる人間じゃないのよ。家事だって得意じゃないし……母や妹みたいに、仕事を辞めて家庭に入るなんて考えられないわ」