そして僕はまた、君に出会える時を待つ

ちょっと強引な朝のひと時を過ごし、一息ついたら、もう太陽は真上に上がっていた。

いつもなら、近くのお店でランチでも、となるところだけれど。

毛布にくるまって籠城している加奈子さんは、何度声を言っても出てきてくれない。

怒らせちゃったかな、と毛布を少し下げたら、真っ赤な耳と頬が見えたので、僕はそこに軽くキスして、キッチンを借りますよ、と断りを入れた。

ここで朝を迎えた時の定番は、トースト。

加奈子さんが出してくれるそれは、近くのパン屋さんのだそうで、焼けばカリふわの厚切り。

バターをたっぷり塗ったそれは、とても美味しいけれど、今日は見当たらないので断念。

米を炊いて和朝食でもいいが、付け合わせが難しそうだ。

何より、僕の腹はもう既に空腹を訴えている。

どうしようか、と見回したところで、テーブルの隅に置かれたエコバックからはみ出した、ホットケーキミックスの箱を見つけた。
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