そして僕はまた、君に出会える時を待つ
きっと、加奈子さんのお母さんも、そんな気持ちで幼い加奈子さんにパンケーキを焼いていたんじゃないだろうか。
今の僕と同じように……なんて思ってしまうのは、おこがましいかな。
「僕達、そんな感じでやっていきませんか?」
そう言って微笑んだら、僕を見上げる彼女の目に涙が光っていたので、頬を撫でるついでに親指で拭ってしまう。
「あ、加奈子さんのご家族にも、ご挨拶に行かなきゃですね」
他に何をすればいいんだろう……?
いろいろと、調べないといけないな。
考えを巡らせ始めた僕の胸に、ぎゅっと加奈子さんが抱きついて。
ぎゅっと同じ力で抱きしめ返したところで、空気を読めないポットから湯沸かし完了の合図。
「おっと……じゃあ、食べましょうか」
そして、2人でゆっくり話をしよう。
これまで知らなかったお互いの、いろんなこと。
それに、僕らの、これからのことを。