きみに ひとめぼれなおし
そんな時、遠くから勝見君の姿を見ると、余計苦しくなった。

私の気持ちも知らずに、友達と笑いあう勝見君。
ゆるりゆるりとリフティングをする余裕な勝見君。
大好きだったはずの笑顔が、その姿が、その空気感が、いつの間にか苛立ちや不安に変わっていた。

大好きでいたいのに。
もっと頑張りたいのに。
もう頑張れない。
すがりたい人は、いつも私のずっと先で笑っている。
話したい人は、いつも私のそばにいない。
触れたいその手は、いつも私の手をするりと離れていく。 

そばにいたい。
そばにいてほしい。
大好きなはずなのに、どうして私たちはこんなにも離れているのだろう。
どうして私は、勝見君に追いつけないのだろう。
手を伸ばしても、その手は勝見君には、届かない。
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