きみに ひとめぼれなおし
勝見君に恋をしたのは、高校二年生の夏休み明け、最初のテストの時だった。
私たちは同じクラスで、出席番号が前後なのもあって、テストの席も前と後ろだった。
その日も私たちは決められた席に座った。
ただそれだけだ。
それだけなのに、私はあの日、あの一瞬で、勝見君を好きになった。
男子にしては少々華奢な後ろ姿。
袖を折り曲げた長袖カッターシャツから伸びる長い腕。
乱れた襟元。
それらから醸し出される勝見君のふんわりとした空気感に誘われるように、気づいたら、私から声をかけていた。
__「あの、襟、おかしいよ」
なんて。
ただ淡々と教えてあげた。
だけど振り向いた勝見君と目が合ったその瞬間、心の中を風がさっと吹き抜けていった。
それは確かに、恋の感覚だった。
私がよくする、「ひとめぼれ」の恋だった。
私たちは同じクラスで、出席番号が前後なのもあって、テストの席も前と後ろだった。
その日も私たちは決められた席に座った。
ただそれだけだ。
それだけなのに、私はあの日、あの一瞬で、勝見君を好きになった。
男子にしては少々華奢な後ろ姿。
袖を折り曲げた長袖カッターシャツから伸びる長い腕。
乱れた襟元。
それらから醸し出される勝見君のふんわりとした空気感に誘われるように、気づいたら、私から声をかけていた。
__「あの、襟、おかしいよ」
なんて。
ただ淡々と教えてあげた。
だけど振り向いた勝見君と目が合ったその瞬間、心の中を風がさっと吹き抜けていった。
それは確かに、恋の感覚だった。
私がよくする、「ひとめぼれ」の恋だった。