再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
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「ママ、おなかすいたー」
ゆっさゆっさと体が揺らされる。
「もうちょっとだけ…」
深く布団に潜り込もうとすると、さらに大きく揺すられた。
「ママ!はやくー」
祥は大きくため息を吐き、のそりと起き上がった。
休日のたびに繰り返されるルーティーン。
時計など見なくてもわかる。どうせ六時半だ。
念のため時計を確認したら、六時十五分だった。
さらに早くなってるよ…
祥はがっくりと項垂れた。
でも元気なのはいいことだ。
祥はグーンと大きく伸びをすると、つむぎに笑いかけた。
「ホットケーキ食べる?」
「食べる!つむも一緒に作る!」
つむぎは張り切って、布団から飛び出していった。
昨日は『元気のないつむぎをどうするか』というのも悩みの一つだったが、こうしていつもと同じ休日の朝を迎えられてホッとする。
実は、おとなしいつむぎを心配した恵子先生が、念入りにケアしてくれたので、夕方迎えに行った時には、いつものつむぎに戻っていたのだ。
「おかえりなさい!」と跳びついてきて、あのね、あのねとその日あったことを報告する。その姿を見ただけで、正直力が抜けた。
本当に恵子先生様様で、祥も「元気ださなあかんえ!」と喝を入れられて帰宅したのだ。