再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
「パパはわかたけ文庫にいるの。行ってみようか」
「…うん」
気乗りしなさそうなつむぎを連れて、わかたけ文庫に向かう。
門をくぐったところで、健斗が待っているのが見えた。
「おじちゃんだ!」
つむぎは嬉しそうに健斗の元に走り寄る。
健斗は飛びついてきたつむぎを抱き上げて笑った。
「元気いっぱいだな」
「ウン!元気だよ」
健斗に抱かれて嬉しそうにしているつむぎを見ると、これはいけるか?と期待がふくらむ。
祥はサラッと軽く話すことにした。
「あのね、つむ。おじちゃんがパパなの。おじちゃんがパパでもかまわない?」
「おじちゃんがつむのパパなの?」
「そうなんだ。俺がパパじゃいやかな?」
つむぎはこれ以上開かないというくらいに目をまん丸くし、「イヤじゃない!」と大きな声で叫んだ。
「ほんとに?ほんとにパパ?」
確認し、わーいと健斗の首にかじりつく。
戸惑うどころか大喜びだ。
心配して遠くから見守ってくれていた莉子さんはケラケラ笑っている。
つむぎは健斗を引っ張って行き、双子ちゃん達に「つむのパパなの!」と健斗を紹介していた。
それからつむぎは「パパ」「パパ」と健斗にまとわりつき、離れようとしなかった。
祥のことは目に入らない様子に、ホッとしつつも寂しい気もする。
ちょっとくらい戸惑ってくれてもいいんじゃない、という複雑な気持ち?
拗ねたように頬を膨らます祥を、健斗は笑ってつむぎと一緒に抱きしめてくれた。