再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
つむぎのことは予想外にうまくいった。でも栞さんのことがどうしても気になる。
「栞さんは健斗のことをお兄さんとは思っていないと思うよ」
「まさか」
健斗は軽く笑い、祥の言うことを取り合おうとしない。
全くもう。乙女心のわからん奴だと頭を抱える。
すぐそばでずっと健斗を見てきた栞さん。
あの再会の場面を見ても、憧れ以上の感情を持っていることは容易く想像できる。
大きな手術をした後だし、ショックを受けてもらいたくない。
でも、そう考えるのは祥の驕りなのか?
あーでもないこーでもないと悩んでいたら、健斗がアッサリと話してしまった。
「話したの!?栞さんに?」
「あぁ。これから東京に挨拶にいかなきゃならないし、二日ほど病院を離れるって言っておかないと」
結婚することだけじゃなく、子どもも既にいると話したと聞いて、栞さんがどんな衝撃を受けたのか、祥は気が気ではない。
「驚いてはいたが、ショックを受けたとかそんな感じじゃなかったぞ。祥に会いたいとは言ってたけど」
やっぱり乙女心のわからん奴だった。