再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
祥は自分のことを話すのが苦手だ。親とうまくいっていないということは、誰にでも言えることではないし。
でも、健斗にはすんなりと話すことができた。
開業医である父とそりが合わないこと、大学に入ってから一度も家に帰っていないこと、将来はホテルに勤めたいという夢があること…
「医学生の人に言うことじゃないけど、お医者さんは好きじゃないの」
祥が笑って言うと、健斗は微笑みながら祥の髪にそっと触れた。
「確かに俺は医者になるつもりだけど、医者という生き物になるわけじゃないよ」
祥が健斗を見上げると、静かに唇が落ちてきた。
しょうがないなぁ。好きになったら相手の職業なんて気にしていられないもの。
健斗が頑固親父みたいになりませんように…
祈りながら祥は健斗の唇を受け止めた。