再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
「ママ、またこれる?」
「そうだね。絵本もみたことがないのがたくさんあったし、また来ようか」
やったー、とつむぎが無邪気に笑う。
もう会員にななっちゃおうか、と帰りにもう一度『わかたけ文庫』に戻った。
するとそこには、ものすごいイケメンと可愛い双子の女の子がいて、莉子さんにまとわりついている。
ソロソロと入ってきた祥に気づいて、莉子さんが声をかけてくれた。
「あれ、小林さん。どうかしましたか?」
「会員になろうと思って戻ってきました」
わぁ、ありがとうと莉子さんが喜んだ。
「うちの娘たちと夫です」
恥ずかしそうに莉子さんが紹介する。
「まほです!」「りほです!」
元気に名前を言う双子ちゃんを見て、つむぎも「つむぎです!」と元気よく答えていた。
あっちに行こうと、まほちゃんがつむぎを本棚に引っ張っていく。
三人であっという間に打ち解けて、楽しそうに絵本を読みだした。
会員手続きをしながら、勤めは泉ホテルなんです、と言うと、莉子さんの夫の柳田さんがあっという顔をする。
「もしかしてコンシェルジュの人?」
「そうです」
聞けば、出張のたびにうちのホテルに宿泊をしてくれているらしい。
「泉ホテルの斜め向かいにある大学病院。そこの循環器外科に勤務しているんだ」
一年間の研修なんだよ、と柳田さんは言った。