再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
翌日は、小林家の食事会があった。
兄がホテル内の日本料理店の個室を予約してくれたので、みんなで夕食を食べるのだ。
つむぎはおじいちゃんに初めて会う。
父がつむぎに会いに来るはずはなく、祥も孫に関心があるわけがない父に、わざわざ娘を見せに行くことはしなかった。
一時程の冷戦状態ではないが、お互い歩み寄るまでには至っていない。
そこは似たもの親子。間を詰める一歩をどちらも踏み出せないのでしょうがないのだ。
まさか初めて会う孫に冷たく当たることはないと思うけれど…。
どうなることやらと思いながら、待ち合わせのロビーに行った。
「つむぎちゃん!」
母が手を振ってつむぎを呼ぶ。
「あ!おばあちゃんだ」
母には何度か会っているので、つむぎは躊躇することなく母の元に走った。
母も嬉しそうに、「大きくなったわね」と言いながらつむぎを抱き上げた。
「おまたせしました」と祥が頭を下げると、「みんな集まったところよ」と今日も魔女感全開の義姉が鷹揚に微笑んだ。
父はソファーに座ったまま、居心地が悪そうにしている。
義姉もいるので、どのような態度をとればいいのかわからないのだろう。