再会は甘い恋のはじまり…とはかぎりません!(おまけ追加しました)
「おっ!お兄ちゃん久しぶりやないか」
宮本さんがいつもの席、健斗の隣の席にいそいそと腰掛けながら話しかけた。
「何年振りやろ。ロンドンに帰ったと聞いてたが、今日はどうしたんや?久しぶりに戻ってきたん?」
「私ですか?」
健斗は驚いたような顔をした。
宮本さんはジャケットを脱ぎ、おもむろに背中を見せる。
「お兄ちゃんが考えてくれたこのTシャツな。ものすごう売れて定番商品になったんやで。『京都』と『新選組』に並ぶ、うちの人気商品や」
ホレ、と宮本さんは『満足』という背中の文字を指さした。
「私が考えた?」
健斗は困惑したように呟いた。
宮本さんは不自然な健斗の様子など全く気に留めることなく、うんうんと頷く。
そして、健斗の手許を見ると嬉しそうに言った。
「やっぱりサンドイッチ食べてんのか。いつもそればっかり食ってたもんなぁ。よし!わしもそれにしよ。祥ちゃん、サンドイッチな」