男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
「あの、オレは別に探し物をしているわけでは…………」
「通りの向こうにいた時から、きょろきょろしていただろう?」
彼がそう言って、「店に入る時に見たよ」とにっこりとする。
「こうして目が合ったのも、何かの縁だと思ってね。僕も君くらいの歳に王都に来て、商売を始めた身であるせいかもしれないけど、不慣れな様子が気になったんだ。もしかしたら、こっちに来たばかりなのかなと感じてね。連れに別れを告げて、こうして声を掛けたわけだよ」
聞き取り易いゆっくりとした口調でそう説明された。手を離すとハット帽を少し回して、顔が見えるよう被り直す仕草も、慣れた様子だった。
親切で声を掛けられた場合、どうやって断わればいいのだろうか。
そもそも、王都で身なりの良い人間にフレンドリーに話しかけられるとは思っていなかったから、ラビは戸惑ってしまった。不慣れな様子であった、というだけで、このように声を掛けられるものなのだろうか?
「通りの向こうにいた時から、きょろきょろしていただろう?」
彼がそう言って、「店に入る時に見たよ」とにっこりとする。
「こうして目が合ったのも、何かの縁だと思ってね。僕も君くらいの歳に王都に来て、商売を始めた身であるせいかもしれないけど、不慣れな様子が気になったんだ。もしかしたら、こっちに来たばかりなのかなと感じてね。連れに別れを告げて、こうして声を掛けたわけだよ」
聞き取り易いゆっくりとした口調でそう説明された。手を離すとハット帽を少し回して、顔が見えるよう被り直す仕草も、慣れた様子だった。
親切で声を掛けられた場合、どうやって断わればいいのだろうか。
そもそも、王都で身なりの良い人間にフレンドリーに話しかけられるとは思っていなかったから、ラビは戸惑ってしまった。不慣れな様子であった、というだけで、このように声を掛けられるものなのだろうか?