男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
セドリック達と別れたラビは、ごった返す人混みの中を歩き進んだ。擦れ違う人々が気付いたように目を見張ると、視線をそらしてよそよしく距離を開けていった。
居心地が悪くて、前髪と目元を隠すように帽子を前に引っ張った。すると、更に通行人達から距離を置かれてしまった。後ろ髪が多く見えるようになったせいで、余計に目立つらしい。金髪や金目は不幸を招く、という迷信は根強いのだとも、改めて実感できる反応でもあった。
『後ろ髪を隠した方が目立たないんじゃないか?』
隣を歩いていたノエルが、そう助言してきた。
帽子を前に深くかぶると視界の上部分が遮られて、かなり邪魔でもある。ラビは「それもそうだね」と彼に聞こえる声量で答え、帽子を元の位置に戻した。
「それにしても、王都よりも人とか店が密集しているみたいな町だね」
『集落のちょうど中間地点にあって、物流と休憩といった目的が明確にされているせいでもあるかもしれねぇな。馬車は基本的に町の中を走らせたり停車させるな邪魔だ、っていう決まりも、限られた町の敷地内いっぱいに店と人が集まる町だからこその特色ともいえなくもない』
居心地が悪くて、前髪と目元を隠すように帽子を前に引っ張った。すると、更に通行人達から距離を置かれてしまった。後ろ髪が多く見えるようになったせいで、余計に目立つらしい。金髪や金目は不幸を招く、という迷信は根強いのだとも、改めて実感できる反応でもあった。
『後ろ髪を隠した方が目立たないんじゃないか?』
隣を歩いていたノエルが、そう助言してきた。
帽子を前に深くかぶると視界の上部分が遮られて、かなり邪魔でもある。ラビは「それもそうだね」と彼に聞こえる声量で答え、帽子を元の位置に戻した。
「それにしても、王都よりも人とか店が密集しているみたいな町だね」
『集落のちょうど中間地点にあって、物流と休憩といった目的が明確にされているせいでもあるかもしれねぇな。馬車は基本的に町の中を走らせたり停車させるな邪魔だ、っていう決まりも、限られた町の敷地内いっぱいに店と人が集まる町だからこその特色ともいえなくもない』