男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
『なんだか大事(おおごと)になってんなぁ』
「あの悪党ども……!」
彼が見ている被害現場を目に留めて、ラビは更に怒りを覚えた。
ノエルとしては思うところもあり、なんだかなぁと悩ましげにぼやいてしまう。
『俺としてはな? ラビと俺にも、その原因があるような気がしてならねぇ、というか、なんというか…………』
洗濯物の被害も、店先の商品だった木の実を投げたのもラビであると思い返して、ノエルは思わずそう呟いた。
『うーん、こんな時に俺の姿が見えていたとしたら移動も楽なのになぁ、とは思っちまうな。見えない方が確実に不便だ』
それを考えると、やはりルーファスに話を聞いた時に、同感だし名案だと思った自分の直感は間違っていない。そう思案を口の中にこぼすノエルの隣で、ラビは付き当たりの道を右に行こうか、左進むべきかと急く思いで考えていた。
後方の騒がしさを除くと、新たな騒動の発生源と感じられる音はしなかった。もしかしたら、追われている現状から、身を潜める判断をされてしまったのではないだろうか。食べ物や人間の匂いが多すぎるから、ノエルの鼻でも直接近くから匂いを嗅いだわけでもない男達の痕跡を辿るのは難しいだろう。
「あの悪党ども……!」
彼が見ている被害現場を目に留めて、ラビは更に怒りを覚えた。
ノエルとしては思うところもあり、なんだかなぁと悩ましげにぼやいてしまう。
『俺としてはな? ラビと俺にも、その原因があるような気がしてならねぇ、というか、なんというか…………』
洗濯物の被害も、店先の商品だった木の実を投げたのもラビであると思い返して、ノエルは思わずそう呟いた。
『うーん、こんな時に俺の姿が見えていたとしたら移動も楽なのになぁ、とは思っちまうな。見えない方が確実に不便だ』
それを考えると、やはりルーファスに話を聞いた時に、同感だし名案だと思った自分の直感は間違っていない。そう思案を口の中にこぼすノエルの隣で、ラビは付き当たりの道を右に行こうか、左進むべきかと急く思いで考えていた。
後方の騒がしさを除くと、新たな騒動の発生源と感じられる音はしなかった。もしかしたら、追われている現状から、身を潜める判断をされてしまったのではないだろうか。食べ物や人間の匂いが多すぎるから、ノエルの鼻でも直接近くから匂いを嗅いだわけでもない男達の痕跡を辿るのは難しいだろう。